障がい者の生活支援員ってどんな仕事なの?
普段生活していて、老人介護の介護士や生活支援員などは聞くことはあっても、障がい者の生活支援員という仕事を聞くことはあまりないかもしれませんね。
私は、現在、障がい者支援施設で、生活支援員をして3年目になります。
あまり知られていない職業で、実際、私もこの仕事に就くまではまったく知らない職業でした。
生活支援員の現場は、慢性的に人員不足に悩まされています。
この記事で少しでも興味を持っていただけると嬉しいと考えています。
障がい者の生活支援員とは
生活支援員とは、障害のある人たちに対して、生活に必要な支援を行う仕事をする人です。
人間が生活をするためには、クリアするべきたくさんのハードルがあります。
もちろん私たち健常者は、普段、生活のハードルを意識して生活してはいません。
けれども、障害のある人たちは、私たち健常者が当たり前に行っていることができない場合が多いのです。
障害のある人たちができないことを手助けし、少しでも私たち健常者と同じように生活できるように支えることが、生活支援員の仕事です。
身体障害者の場合は、生活する上で困っていることが分かりやすい場合が多いので、一般の方でも支援できることはあります。
たとえば、目の見えない人が対象であれば、手を引いて案内したり、言葉で危険を知らせたりすることができます。
腕の動かない人が対象であれば、必要なものを取ってあげたり、代わりに動かしてあげたりすることができます。
しかし、知的障害を持つ人たちは、一見、障害があることが分からない場合もあります。
知的障害を持つ人たちの場合、何に困っているのかを察することさえ簡単ではないのです。
彼らの生活を手助けするには、私たち生活支援員の仕事が不可欠です。
私の仕事は、知的障害を持つ人たちに寄り添い、その生活を支えることです。
障がい者の生活支援員になるには
私は、最初から障がい者の生活支援員になるために就職活動をしたわけではありません。
現在「介護福祉士実務者研修(昔のホームヘルパー一級)」の資格を持っていますが、今の仕事をはじめた当初は、生活支援員としては無資格でした。
福祉分野の就職に役立つ資格は運転免許くらいでした。
実は、障がい者の生活支援員になるためには、特別な資格は必要ありません。
もちろん、仕事をする上で、キャリアアップのために役立つ資格はありますが、無資格でも就業はできます。
実際、私のように無資格で就業している生活支援員はたくさんいます。
ケアマネージャーや社会福祉士などの特別な業務を行うためには資格が必要ですが、生活支援員は無資格でできます。
私は就業しながら「介護福祉士実務者研修」を取得しました。
福祉業界では、このように就業しながら取得できる資格がたくさん存在します。
私自身も、まだいくつか取りたい資格があるくらいです。
私の場合は、派遣会社のキャリアアップ制度を利用して、資格を取得しました。
おかげでかなりの低額で資格取得にこぎつけたのです。
障がい者の生活支援員の求人はほとんど表には出てきません。
ですから、もしも障がい者の生活支援員を目指すならば、介護や看護の分野に強い派遣会社に登録することをおすすめします。
障がい者の生活支援員に向いている人
老人介護に比べて、知的障がい者の生活支援は傾聴という作業さえ難しいことがあります。
傾聴とは、善悪の判断をすることなく相手の話を相手の立場になって聞くことです。
正しく発語したり、言葉を理解したりできない障がい者さんが多いからです。
相手の言っていることが分からなければ、相手が望んでいることが分かりません。
障がい者の方々の話を傾聴するとき、必要になってくるのが「くみ取る力」です。
いろいろな状況や相手の表情、しぐさなどから、今相手が何を望んでいるのか「くみ取る力」がとても大切になります。
たとえが適切かどうかは置いておいて、ペットを飼っている方なら分かると思いますが、相手が言葉をしゃべることができなくても、相手の望みが理解できる瞬間が確かにあると思います。
「くみ取る力」は障がい者の生活支援においてはとても大切な力になります。
「くみ取る力」のある方は、障がい者の生活支援員にとても向いています。
すべての基本だからです。
まとめ:障がい者の生活支援員という働き方
障がい者の生活支援は簡単な仕事とは言い難いのですが、それでもやりがいもあり、少なくとも私にとっては天職であると感じることも少なくありません。
気兼ねなく世話好きを発揮できるとても向いている職場と言えるでしょう。
障がい者の生活支援員は、特別な資格も必要なく、派遣会社を通して見つけることのできる仕事です。
必要なのは「くみ取る力」です。
もしも、この記事を読んで興味を持っていただいたのならとても嬉しいことです。