羽毛布団は家庭で洗濯できます。
ちょっとした注意事項を守れば、むしろ綿布団より楽に洗濯できます。
羽毛布団の中綿は水鳥の羽毛なので洗濯しても問題ないのです。
私は障がい者の入所施設で生活支援員として働いています。
生活支援員とは障がいのある利用者さんの日々の生活を支援するお仕事で、私の主な仕事は一般でいうところの家事です。
当然、洗濯も毎日の仕事の一環です。
私の仕事は家事のプロともいえるでしょう。
羽毛布団を持ち込んでいる利用者さんもいる上、便失禁や尿失禁も頻繁なので、どうしてもその場で洗濯しないといけない場面も多々あります。
最初は私も羽毛布団が洗濯できるとは思っていませんでした。
しかし、やってみると綿布団より断然楽に洗濯できます。
羽毛布団は軽くてふわふわで良い睡眠には理想的なアイテムですが、洗濯が難しそうと敬遠している人もいるかもしれません。
この記事を読んで羽毛布団の洗濯の仕方を理解し、より良い睡眠のための選択を一つ増やしていただければ幸いです。洗濯だけに……。
羽毛布団の洗濯表示をチェック!
自分の家庭にある羽毛布団の洗濯表示をチェックしましょう。
洗えるか洗えないかはその羽毛布団にきちんと表示してあります。
羽毛布団はそうそう買い替えるものではないので一度チェックすればOK。
面倒がらずに洗濯表示をチェックしましょう。
※ 洗濯表示は2016年12月から新しいものに変わったので注意。
洗濯機で洗濯できる羽毛布団
家庭の洗濯機で洗濯できます。中に書いてある数字は洗濯に使用する溶液(水+洗剤)の温度です。 |
手洗いで洗濯できる羽毛布団
手洗いできる羽毛布団です。お風呂があれば家庭で洗えます。 |
家庭で洗濯できない羽毛布団
家庭での洗濯は禁止です。この表示のある羽毛布団は残念ながら家庭では洗濯できません。 |
羽毛布団を家庭で洗濯するとき失敗しないコツ
羽毛布団はそれなりに値段のするものです。
最近では比較的安価のものもありますが、それでも失敗してOKな値段ではありません。
そこで、羽毛布団を家庭で洗濯するときに、失敗をしないコツをご紹介します。
羽毛布団を洗う洗濯機の容量に注意
羽毛布団を洗うとき、シングルの布団であれば一般家庭用の洗濯機の容量でも実は充分です。
一般家庭の洗濯機はファミリータイプだと大体6~7kgだといわれています。
シングルの羽毛布団を洗濯するためには、5~7kgの容量が必要です。
一般家庭にあるファミリータイプの洗濯機は充分羽毛布団を洗濯する容量があります。
しかし、一人暮らし用の洗濯機だと3~4kgのものがあり、これだと容量が足りないかもしれません。
羽毛布団は綿の布団に比べると軽く、濡れると体積も小さくなるので多少のオーバーサイズでも洗濯できます。
私の勤める施設では業務用の巨大洗濯機の他に、簡単なものを洗う家庭用の洗濯機もあります。
容量は7kgです。
7kgの洗濯機だとシングルの羽毛布団は充分洗濯できています。
羽毛布団を洗う日のお天気や気温に注意
洗った羽毛布団は干さないといけないので、洗う日のお天気や気温に注意してください。
羽毛布団は濡れたまま長時間放っておくとカビが生えたり匂いが出たりします。
洗ったその日に干しましょう。
本当は大きな乾燥機で短時間で乾かすのがおすすめなのですが、近所にコインランドリーがなかったり、あっても乾燥機がなかったり、料金が目が飛び出るほど高かったりしては使えません。
洗う前に、洗濯する日の天気をチェックしてその日の内に干せることを確認してください。
羽毛布団は水鳥の羽でできているので、洗濯をしても天日干しをしても問題ないのですが、実は、側生地(水鳥の羽を包んで布団の形にしている袋)はポリエステルや綿でできていて、長時間紫外線にさらされると劣化してしまいます。
羽毛は小さな穴でも抜けてしまいますから、側生地の劣化は避けたいところです。
湿度の低い天気の良い日を選んで短時間で一気に乾かしてしまうのがおすすめです。
羽毛布団を洗う洗剤は必ず中性洗剤を使用すること
洗剤に関してはおしゃれ着用の洗剤をおすすめしますが、どうしてもおしゃれ着用の洗剤でなければいけないということはありません。
しかし、必ず「中性洗剤」を使ってください。
洗濯洗剤は、血液や皮脂などのタンパク質の汚れを落とすためにアルカリ性のものがあります。
羽毛はタンパク質です。
しかも羽毛には油分も多く含まれ、この油分がふわふわ感を生んでいるので皮脂などを強力に落としてしまうアルカリ性の洗剤は必ず避けてください。
洗濯の頻度が多い場合や、古くなってきた羽毛布団はおしゃれ着用の洗剤が良いかもしれません。
最近ではオキシクリーンなどの洗剤も流行していますが、オキシクリーンはタンパク汚れに強いことがウリですから、オキシクリーンも絶対に避けてください。
羽毛布団の入る洗濯ネットは必須
羽毛布団に限らず、布団を洗うときに洗濯ネットは必須です。
構造上、布団は中綿や羽毛を袋状の側生地に詰めて布団の形に整えています。
袋の中に詰めているので、中身がズレてしまうのは物理現象として当然のことです。
ですから、中身のヨレやズレを防ぐために綴じ糸を使って固定したり、キルティング加工したりしています。
羽毛布団の場合は、綿のように圧縮して形を作ることが難しいので、キルティング加工が多いのです。
綴じ糸やキルティングの糸は当然引っ張れば切れます。
洗濯機の中で変な力がかかって糸が切れてしまうと当然ヨレやズレが発生します。
それを防ぐために、洗濯ネットに入れます。
また、羽毛布団の場合は側生地が痛んでしまい穴が開くとそこから羽毛が吹き出します。
かなり小さな穴であっても出てしまうので注意が必要です。
洗濯ネットは側生地を保護するためにも必須アイテムです。
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羽毛布団の洗い方!実際の洗濯方法
それでは実際に羽毛布団を洗濯してみましょう。
羽毛布団を洗濯する手順はほとんど普通の洗濯と変わりませんが、羽毛布団は軽くて水に浮くので、洗濯の液水をしっかり含ませる必要があります。
必要なアイテムを用意する
まず羽毛布団に必要なアイテムを用意します。
必要なアイテムは以下の通りです。
- 家庭で洗濯できる羽毛布団
- 布団のほこりを落とすもの
- 容量の適切な洗濯機
- 洗濯用の中性洗剤
- 羽毛布団が入るサイズの洗濯ネット
自分の使いやすいものがある場合は使いやすいもので良いですが、一応おすすめも載せておきますね。
洗剤はおしゃれ着用の洗剤が断然おすすめですが、睡眠に関係する布団なので、匂いは優しい方が安眠できます。
ちなみに夏に快適な洗えるおすすめの羽毛布団もありますので紹介しておきますね。
お値段が少し張ってしまいますが、布団叩きはあんまり力を入れて叩かなくてもホコリが落ちるブラシタイプのものがあるのでおすすめです。
洗濯機は一人暮らしの方でも7kgのものがおすすめです。最近は7kgでも安価で高性能のものがあるようです。素晴らしい世の中です。
洗濯ネットは多少値段が張っても、布団をくるくる丸めて入るサイズあるいは形のものが断然おすすめです。布団なんてそんなに回数を洗わないので多少値段が張っても長持ちします。
ドーナツ型だと取り出すのが多少楽になりますが、羽毛布団なら巾着タイプがおすすめです。
羽毛布団のほこりを落とす
洗濯する前に、羽毛布団のほこりを落とします。
布団にはダニやほこりなどがたくさんついています。
羽毛布団は家庭用洗濯機で洗うには大きなものですから、ダニやほこりと一緒に洗濯機でぐるぐる回るのは都合が悪いです。
洗濯する前に落とすことで、効率良く汚れを落とすことができるですが、綿布団のように激しく叩かないようにしてください。
何度も言うようですが、羽毛布団はキルティング加工してありますし、側生地に穴が開くと中身が出ます。
中身が出てしまうとかなりのおおごとになります。
羽毛はふわふわ浮くので散らばってしまうと集めるのがたいへんです。
おそらく経験していないみなさまの想像以上です。(私は経験済みです)
あくまで優しくはたき落とすようにしてくださいね。
縦型洗濯機での羽毛布団の洗濯方法
洗濯機には2種類あります。縦型の洗濯機とドラム式洗濯機です。
まずは縦型洗濯機での羽毛布団の洗濯の仕方を解説します。
縦型の洗濯機での洗濯は比較的簡単です。
注意点は洗濯機を回す前にしっかりと水を吸わせることです。
羽毛布団の羽毛は、水鳥の羽毛を使用しているため、思っている以上に水分をはじきます。
しっかり汚れを落とすために、洗剤を溶かした水を吸わせて洗濯機を回すようにしましょう。
手順は次の通りです。
- 洗濯槽に水を貯め洗剤を溶かす
- 洗濯ネットに羽毛布団を綺麗に畳んで入れ洗濯槽に沈める
- 羽毛布団にしっかり水を吸わせる
- 大物洗いコース、ドライコース、ソフト洗いコースのいずれかで洗濯する
ドラム式洗濯機での羽毛布団の洗濯方法
ドラム式の洗濯機での洗濯の仕方を解説します。
ドラム式洗濯機は水を貯めるという過程が難しいのでここはすっ飛ばします。
- 洗濯ネットに羽毛布団を綺麗に畳んで入れ、洗濯槽に入れる
- 大物洗いコース、ドライコース、ソフト洗いコースのいずれかで洗濯する
洗濯槽に入れるときは、洗濯槽に添わせるように入れると痛みにくいです。
ドラム式洗濯機では脱水のとき洗濯物が偏るとエラーで停止することが多いので、注意が必要です。
施設の業務用洗濯機はドラム式なので、私もこれでかなり悩まされました。
脱水中にエラーで停止した場合は、一度羽毛布団を洗濯機から取り出し、広げてたたみ直してから再び脱水にかけるとうまく回りますよ。
手洗いでの羽毛布団の洗濯方法
手洗いの場合はの羽毛布団の洗濯の仕方を解説します。
手洗いの場合、羽毛布団が入る洗い桶が必要ですが、そんなものがご家庭にあるとは思えません。
ちなみに施設にもありません。
そこで、お風呂の浴槽を利用します。
ご家庭のお風呂の浴槽であれば、ダブルサイズの羽毛布団でも充分洗濯できるでしょう。
以下の手順で洗濯してください。
- お風呂の浴槽に水を貯める
- 中性洗剤をよく溶かす
- 羽毛布団を浴槽に沈める
- しばらく浸けておく
- 優しく押し込むように揉み洗いする
- 浴槽から出し、絞る
羽毛布団の乾かし方
羽毛布団の乾かし方には3種類あります。
- 吊り干しで乾かす
- 平干しで乾かす
- 乾燥機で乾かす
羽毛の中の羽毛は水を含んでいる重力で下に落ちていきます。
ですから、単純に物干し竿に干しただけではうまく乾いてくれません。
出来るだけ平らにして干すと良いのですが、これまたご家庭に羽毛布団を平干しするようなスペースがあるとは思えません。
羽毛布団はちゃんと乾かさないとカビや雑菌を大量に発生させ、匂いも出てしまいます。
できれば、乾燥機で乾かすことをおすすめします。
コインランドリーには大型の乾燥機がありますので、予算が許すなら乾燥機を使用してください。
もしも、近所にコインランドリーがないとかあっても乾燥機の値段が目が飛び出るほど高いとかの場合は、物干し竿を2本使用して出来るだけ羽毛が平均的に行き渡るようにして干します。
羽毛布団が家庭で洗濯できないとき
羽毛布団が家庭で洗濯できない場合はあります。
洗濯機の大きさに問題があったり、そもそも洗濯表示で洗濯禁止となっている場合です。
それぞれの対処法もご紹介しておきますね。
家庭の洗濯機が小さい
家庭用の洗濯機が小さい場合、手間でなければ手洗いの方法で洗濯しましょう。
ほとんどのお風呂の浴槽はシングルの羽毛布団なら充分手洗いできるサイズです。
ダブルの羽毛布団も洗濯できることがほとんどです。
もしも、お風呂で手洗いするのが手間に感じるのなら、費用こそかかりますが、コインランドリーの大型の洗濯機で洗濯するという手もあります。
家庭用洗濯機と同じ手順で洗濯してください。
コインランドリーによっては羽毛布団を洗濯できる洗濯機を置いてあるところもあります。
その場合はコインランドリーの注意書きに沿って洗濯してください。
洗濯できない羽毛布団
洗濯表示で洗濯できないと表示されている羽毛布団は、諦めてプロにお願いしましょう。
クリーニング店では羽毛布団のクリーニングも受け付けてくれますし、羽毛布団専用のクリーニング店などもありますので、そちらを利用するのも手です。
少し費用はかさみますが、羽毛布団専用のクリーニングは、ふんわりが長持ちするのでおすすめです。
羽毛布団の中にはクリーニングもできない場合があるので前もってしっかり相談してみましょうね。
羽毛布団がヘタってきたら打ち直しましょう
うまく洗濯していけば、羽毛布団は長持ちします。
けれどもどうしてもヘタってしまうことはあります。
お気に入りの羽毛布団。
買い替えるのは簡単ですが、もしもヘタってしまったら、打ち直すというのも一つの手です。
布団の専門家である西川さんなどは打ち直しもやってます。
問い合わせてみるのも良いかもしれませんね。